第9回

 

 

9回目の講義は西村拓紀デザイン株式会社の西村拓紀さんでした。

 

西村さんはパナソニックで働いたのちに個人事務者を立ち上げたそうです。

プロダクトだけに止まらずロゴのデザインなど様々な分野のデザインを手がけていらっしゃいます。

 

西村さんのお話の中には1を0にするという話がありました。

これは、クライアントの要望を1とした時その奥にある本質的な要望を0

として、その0を見つけることにより新たなコンセプトを作ることができるというようなお話でした。

 

例えば、手術の時に疲れるため邪魔にならない椅子が欲しいという要望、これを1

とした時椅子なしで座れて歩くことができるという0を見つけることができる。そこからコンセプトを見出し実際には荷重を分担し、立ち上がれば体についてくるため邪魔になることがない『 archelis』という椅子として実現しました。

 

 

西村さんの講義を受けて考えたこと

 

 西村さんの講義で印象に残ったのはやはり1を0にするということです。0から1を作るという表現は聞くことが多いので、逆の意味にもとれる言葉で最初は驚きましたが、その本当の意味を知るとこれはとても重要な考え方だと感じました。自分も問題や要望として現れたものを安易にそのままコンセプトとして捉えてしまいがちですが、そのさらに奥の本質というところまで掘り下げることで、新たなコンセプトが生まれ、そのコンセプトが要望の根本的な達成につながると感じました。

 また、コンセプトの大切さについてもあらためて実感しました。自分が今後、デザインやプロジェクトを進めていく上でコンセプト設定という段階をさらに重要に扱わなければならないと思います。

 他にもプロジェクトを進める上での様々な事象や納得していな状態で製品が世に出される葛藤、その製品が売れてしまう時、それを『勝ち』ととるか『負け』ととるかなど実際の現場に関わるお話を聞くことができました。

 

 

有難うございました。