第五回

第五回の大学院特別講義は梶川伸二さんでした。

梶川さんはインターソシア合同代表の人物で、オリンピックのロゴなどを手がけたGKデザイン京都を定年退職され今に至るそうです。GKデザインではプロダクトデザインをしていましたが、現在は都市環境やイベントなどのデザインを行なっています。また、梶川さんはまちづくりのデザインをにぎわい、都市交通、環境共生、ユニバーサルデザイン、安心安全のカテゴリーから景観という軸を元に説明されていました。さらにプロジェクトに至るまでの過程として社会課題、テーマ化、デザイン、プロジェクトという順に進んでいき課題解読能力、デザイン力、コミュニケーション能力が必要になるとのことでした。

 

この講義でのプロジェクトに至るまでの考え方は正直もっと早い段階で知っておきたかったなと思いました。自分は以前まで研究室で行なっていたあるプロジェクトのリーダーでしたが、このプロセスを知っていたらすでに進んでいて引き継いだプロジェクトでも、その本質をさらに理解しやすかったのではないかと感じました。もちろんこれから計画されるプロジェクトに関してはこのプロセスを元に作り上げていきたいし、途中から関わったプロジェクトに関してもこの4段階のプロセスを意識することで本質を改めて理解し、共有しやすくなるのではないだろうかと感じました。また、それぞれの段階で必要となる能力に関しても高めていく必要があるなということを強く感じることができました。

第3回

今回の講義は山崎研究室のOBでもある藤原由翼さんの講義でした。

自分たちの研究室のOBの方ということでお名前と写真は拝見させていただく機会があったのですが、お会いするのは今回が初めてで非常に勉強になるお話をたくさん聞かせていただきました。藤原さんは大学2年からアルバイトとしてグラフィックデザインをしていたそうです。どのような広告なら世の中にウケるのかを考え実際にその効果も大きかったようで、また109に入っているブランドでブランディングに関しても経験をしたそうです。大学3年では企業説明会に参加し、3年生ながら質問を堂々としその結果評価を得て内定をとったそうです。

 

藤原さんの話を聞いて考えたことはまず第一に行動してみようということです。行動力というものはまずそれだけで大きな力だと感じました。もちろんそれに伴う実力は必要ですが、心に強く残ったのはどれだけの技術を持っていてもそれを行動にうつさなければ持っていないことと同じだということです。恐れず飛び込んで行動し、技術を磨きながら自らの手で道を切り開いてきた自身が藤原さんの語り口からひしひしと感じられました。また、自分の価値を相手に伝えるということの重要性も感じました。いきなり藤原さんのようにアクティブな性格にはなれませんが、僕は少しでも望む人生に近づくため自分の作品をまずはひっそりと(心の準備ができていないので)発表することからはじめました。

第2回

第二回は千葉工業大学の安藤昌也先生による講義でした。

安藤先生の子供の頃の話は別の講義やTAとして学部の授業に関わる中で何度かお聞きしたことがありました。多くの物に触れ分解し構造に触れる機会が子供の頃からあったそうです。UXDではユーザーの体験を考え、どのような体験をしたら喜ぶかという点が重要であり、ユーザーが必要であるということだけに焦点を置いた考え方ではユーザー体験のデザインはできないのです。

 

今回の授業で私が考えたこと

安藤先生の子供時代のお話は何度かお聞きしたことがあるが、この話は同様に何度もお聞きしたことのある山崎先生の子供時代の話と重なる。幼少期に周りの物の構造、形に触れるという体験がものづくり、デザインへとつながったというものだ。自分自身も子供の頃に壊れたものを分解し構造がわかったり、父親がものを修理する様子を見たりしたことも多いためその体験はなんとなく共感できた。また、UXDはユーザーの必要だけを求めるのではなく体験を考えるということは、必要を満たすだけなら問題を解決してそこで終わってしまい、体験を考えなければその先にある新たな価値や体験にたどり着けないということだと気づき改めてその重要性を理解した。

第6回

第6回の大学院特別講義はNPO法人WELgeeの渡部 清花さんによる講義でした。

この講義で私が学んだことは主に難民の方達と日本の関わりの現状です。特に驚いたのは難民と呼ばれる人が今現在とても多く存在し増え続けているということです。中でもシリアからの難民は非常に多いということでした。また、難民に対する日本の体制は整っていなく、難民の申請を行っても受理されるのはごく僅かで多くの人がそれを待ちながら暮らしていて時には犯罪を犯したわけではないのに収容所に入れられたり、居場所を確保するためにイスラム教へ改宗をせざるを得ないというようなこともあるそうです。また、難民には考えてみれば当たり前ですが、自国ではもともと普通に働いていた人も多いのでユニークなスキルを持っている人も多くそれらを活用する場を紹介することで難民の方に日本での居場所を作ることができるとのことでした。

 

この講義を聞いて考えたことは、自分に何ができるかと日本人としての難民に対する向き合い方です。日本は単一民族国家であり国内では圧倒的に同じ日本人と触れ合うことが多く自分自身、外国の方と話すときも言葉の壁や文化の違い等により相手が何者かわかりにくく、無礼なことではありますが無意識に日本においては自分の方が優位に感じてしまうこともあります。しかし、これは相手の本質が見えていなく本来は様々な技術や考えを相手が持っているのにそれに気づいていないためそう感じてしまうと思いました。これからはさらに敬意を持って相手と触れ合うよう心がけたいと思います。また、難民問題に関して自分ができることはここで学んだことを友人や家族など身近な人に伝えることだと思いました。自分も知らないことが多かったので、難民問題を多くの人が認知することが問題解決へと向かう大きな力だと感じたためです。